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8話目にしてようやくの終り。

忘れされながらもようやくの終り。

篠崎さんはじめてのシリーズモノ(?)の終り。


少しでも書き続けないと、モノを書く感覚って衰えるよなー、なんてことを感じながら書き終えました。やたら時間かかったー。

つーか2千字ってなんやねん、と。

自分、平均として一作千字ぐらいでまとめたいんだけどなー。

このあたりみると、感覚忘れてるなー、なんて思うわけです。

がんばりたいなー…



「More」で本編へ、デス!












「さ、どうぞ」

ちゃぶ台の上、自らに向かって差し出された茶を一瞥する。

「純粋にお茶よ?」

柔らかな笑顔で勧められたものの、もちろんそれには口はおろか手をつけることもないだろう…と、視線を彼女へと戻す。

「あら、酷いわ」

「さて、どちらがだろう」

「ふふ、どちらがかしら」

背をただした正座で向かい合う、はたから見たら商談でもしているかのような空間だったろう。…僕の服装にも目をつむる必要もあるけどね。

「さて、そろそろ伺いたいところだね」

「そうね」

一呼吸おいて…話し始めた。

「依頼者がいたのよ」


………寝耳に水とは、このことをいうのだろう。

「あ、もちろん騒動自体じゃなくて…」

「…じゃなくて?」

「猫耳よ。今さっきあなたからとれたこの猫耳」

「…は?」

「まぁ、そうなるわよね」

彼女自ら淹れた茶を一口すすり、一つため息を見せた。

「依頼主の子と世間話をしていたら、うっかりそういう薬ができたことをもらしてしまって…」

「もともと、作っていたのか…」

「えぇ、姫に……ごほっ、ごほっ…ちょ、ちょっとお茶が気管に…」

こんなに間があいてつまるものでもないが、突っ込むところはここではない。

「…それで?」

「……そうね、それでその子がぜひあなたの猫耳が欲しい、と」

「了承したのか、八意先生」

「いえ、その時点では断ったわ。効果は効果だけれど、なかなかに使う薬草が高いものだらけで…」

「なら、もしかして」

「先にもいったように依頼主…つまり、お客様になっちゃったのよ」

「金か…」

「お金と、一部薬草よ」

「…なるほど」

商売人と薬師、両方の立場からオイシイ条件を出されたら断ることはなかったか。まぁ、なんとなく理解はできてしまった。

…が、納得はしていない。

「それにしても、あんまりな扱いだと思うんだけどもね」

どうだろうか、という主張。

「そうね…そのとおりだと思うわ。でも一つだけ言わせてもらうと、姫も私も、てゐとうどんげも、全員が全くの別行動だったのよ」

「…うん?」

「もっといえば、レイセンの行動なんて今回に関して言えば把握してなかったわ」

「…つまるところは?」

「その恰好に関しての責任は認知しかねる、ということよ」

にっこりと笑いながら、八意永琳。

ふむ、と考える。てゐや優曇華の子の行動を思い起こしながら。姫君に襲われ、てゐに助けられ、気絶させられ、その間に優曇華の子にこの服を着させられ…

…さて、どうしたものだろうか。





「ちょっと、待てーーーーゐッ!!」

叫び声とともに、ボロボロの素兎が駆けてきた。

「…あら、てゐ。早かったわね?」

「早かったわね、じゃあないっ!なんだあの仕掛けたち!」

言うと手につかむ僕がいつも着ていた衣服をばたばたとはためかせる。

「おい、おい。そんな乱暴にしないでくれよ」

「するってぇと霖公!えーりんが私にしたことはどう表現するってぇんだ!」

「…は、はぁ…?」

「酷いんだ!見つけたと思ってひっつかんだら矢やら矢やら矢やら矢やら矢やら!!」

「おぉ、よく言えたね」

「そこで舌滑を褒めるのかよぅ!!」

「…やだわ、てゐったら。自分で仕掛けた罠に自分で引っ掛かるなんて」

「引っ掛かるかーいッ!!」

なにやら興奮収まらず、だ。身なりを見ても、相当危ない目にあったらしい。

「ほら、茶」

「…これ淹れたの、誰?」

「君の先生だけど」

「霖公飲んだ?」

「…飲むわけがないだろう」

「そんなのを飲ませる気かよーッ!」

「てゐ、後で屋敷裏に来なさい?」

「それはないっしょぉ…」

急にげんなりとした。忙しい素兎だ。



「…んでこれ、何の流れ?」

「ああ、彼女から今回の騒動の説明を受けていたんだ」

「それで…?」

「衣服などに関しては認知しかねる、と」

「…なるほど、なるほどね」

泣き崩れるように頭を抱え、何度もうなずき納得したようなしぐさを繰り返す。




「えーりん、あんた知ってたうえでやらせてぶふぇっ!」

「あらやだ、目上の人間に向かっておイタが過ぎるわね。うふふ」

目の前で騒いでいたてゐが倒れ、気を失い…

「さて、よく指導しないといけないわ。今回の件でいろいろ迷惑もかけてしまったし、この埋め合わせと追加の説明は後日させていただきたいのだけれど……」

「…後日?」

「もちろん、この一件に対する報酬は払わせてもらうわ。どう?」

「………後日でかまわない」

「理解がよくて助かるわ。うふふ」






かくして僕、森近霖之助は香霖堂に舞い戻った。

煮え切らない部分は、金で片付けて。今回に関して言えば、これが賢い対応というものだと信じている。

香霖堂まで送り届けられた別れ際、三本の指を立てて「これだけはお約束するわ」と言われた。騒動に目をつむれば、単に一日未満の拘束を受けただけだ。正直、儲けモノだろう。

依頼主は誰なのか…あの猫耳としっぽの行方はどこなのか…

どちらも聞いてはいけない。

金が発生したなら、これは仕事なのだ。

…仕事、なのだ。

「気になる…」

そうさ。このつぶやきは、きっと僕のモノではないだろう。

「気になる……」

そうして僕は、自己暗示を重ねつつ大量の金貨を目の前にする。

「気になる………」



………悶々とした日々は、もう少し続きそうだった。






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しのざき

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東方・霖之助ssを中心に。

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