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ルナ茶の能力にときめいてしまったのと、リハビリを兼ねて。

三月精いいなぁ、かわいいなぁ。

そんな思いからつっこみ所満載のショートショート。

霖之助、ルナ茶との逢瀬。


やりたいものは一つ一つ消化していくことにしましたっ!


「More」で本編です。














「…やぁ」

「何しに来たのよ」

【香霖堂】とかまえる看板とは反対、裏手にある縁側よりもまた少し離れた場所に…店内に入りきらないデカブツが集まった『広場』がある。

「何しにとは、ご挨拶だね」

一目にスクラップとわかる器具、ジドウシャのバンカー、バステイの標識等々…雨に濡れても問題なさそうなものを、放っておく場所だった。

ぱっとみたら、ガラクタの山が折り重なっているように見えるかもしれない、そんな場所。

「一応私有地のつもりだったんだが」

そしてそんな場所にいつの間にか、一匹の妖精が住み着いていたのだ。

「変ね。初耳だわ」

そう言ってむくれた『フリ』をする彼女だったが、あるものを見せると決まって笑顔で僕を歓迎するのを僕は知っている。

「それはおかしいね。前回も前々回も言っているはずなのに」

ゆるむ頬を抑えている彼女の目の前に、店内で淹れてきたコーヒーを置いてやるのだ。

「ここはどこ?」

嬉しそうに問いかけてくる。

「ここは静かな秘密基地」

決まりごとがあるとする。僕らのそれは、あいことばだった。

「今日はまた、一段と騒がしいのね」

「ああ、まるで落ち着いて読めやしない」

「でしょうね。でもいいのかしら。たぶん、好き勝手持っていかれちゃうわよ?」

「だろうね。でも、一緒さ」

「一緒?」

「居ても持っていかれて、止めても持っていかれる。力づくなんてもってのほか、むしろ彼女らの得意分野だ。ほら、どうしようもない」

「理不尽ね」

「理不尽さ。目に入れるたびに疲れるだけだし、それならいっそのこと外に出てしまったほうがいい」

「…静かに、本も読めるし?」

「…そうだな」

にやり、と頬を上げて彼女に同意する。

「キャッチアンドリリースね」

得意満面に妖精はコーヒーをすする。

「…正しくはギブアンドテイクだけどね」

笑いをこらえながら、彼女にツッコミを入れた。

「…そんなこと言うと、静かにしてあげないわよっ」

「いや、いや、それは困るな。これで機嫌を直すといい」

そう言って差し出したのは、百万回生きた猫。絵本だ。

「これが約束の本?」

「そうさ。気にいってくれるといいけどね」

「…読んでみるわ」

「読めないところがあったら、遠慮なく言うんだよ」

「馬鹿にしないでほしいわっ」

「してない、してない。同志からの良心さ」

「…もしあったら、静かじゃなくするわ」

「そうするといい」

このように僕とルナチャイルドは、たまにこんな時間を過ごす。

コーヒーはあらかじめドリップしたものをストックしておいて…本は読みたいものを、数冊。

彼女は人里まで降りずにコーヒーを飲むことができ、僕は静寂な時間のなかで本を読むことができる。ひとつの偶然とそんな「ギブアンドテイク」から、この関係は始まっていた。




── ちょい、ちょい。

袖を引っ張られる感触とともに、どこかで魔理沙の叫び声が聞こえた。

「(香霖――!?もってくぞぉー!?)」

…いやな叫び声だった。

「なんだい、ルナ君」

「…ちょうど嫌なとこが聞こえたわね。ごめんなさい」

「なに、君が謝ることじゃない」

「それもそうだけど…あの……ここの…」

そういえば、振り仮名の存在をまだ教えていなかったか。

それでも何やら嬉しくなって、律儀にこたえてやる。


「月、と読むんだよ」




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しのざき

Author:しのざき
東方・霖之助ssを中心に。

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